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【聚楽土】
京壁の中でも最高級として広く知られ、頻繁に用いられる材料。
京都市内で産出され、色は褐色で渋みのある色。
古くなると独特の錆を出し、一層味わい深くなる。最近では聚楽土に似た土も生産されている。
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【黄土】
今治や豊橋などで産出される黄色の土だが、稲荷山とも呼ばれる京都・伏見の稲荷黄土が独特の色彩退色があり、有名。
採取したものを乾燥粉砕したものを使用する。 |
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【白土】
京壁の中塗り、上塗りに用いられた色土の一つ。白色。
京白土もあるが産出量が少ないので、滋賀産や山形産が多く用いられた。滋賀(江州)産の江州白土が有名。 |
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【九条土】
京都・九条で産出される京土の一種。灰色またはあさぎ色。
産出量が非常に少ないので、深褐色の聚楽土に灰墨を少々入れて代用することも多い。 |
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【硅砂】
砂壁上塗りに用いられる天然砂の一種。硅砂を粉砕したもののことを指す。
石材を粉砕した同種の砂には、白砂、日の出砂、茶金砂などがある。 |
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【桜砂】
砂壁上塗りに使用される色砂の一種。
黄味を帯びた淡い桃色の砂に微量の黒霞または金砂を混合して、独特の味わいを出している。
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【孔雀砂】
砂壁上塗り用の人工砂の一種。紫黒色の砂で、銅精錬の際に出るガラミを粉砕して製造される。
中目と細目があり、茨城県日立鉱山産のものがある。 |
中塗スサ 藁スサ みじんスサ
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【中塗スサ】
藁スサの一種。藁製品の古いものを1.5cm〜2cm程度に切り、もみほぐしたもの。水気を十分に与え、一部が発酵するまで寝かしてから、もみほぐすと良いと言われている。
【藁スサ】
藁より作られたスサのこと。昔は藁縄、米俵、地びき網、井戸綱などから作られていた。荒スサ、中塗スサ、上塗スサ、もみスサ、みじんスサなど長さによって種別され、下塗りから上塗りまで幅広く用いられる。
【みじん(微塵)スサ】
京みじんとも言われる藁スサの一種。使い古された藁製品を6mm以下に切って柔らかくなるまで叩き、精製したものを指す。京壁に用いる。
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麻苧 苧(お)スサ 紙スサ
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【麻スサ】
大麻、黄麻、草麻、亜麻、マニラ麻を原料とした麻。苧(お)スサ、浜スサ、生浜スサ、マニラスサなどがあり、漂白の程度により、白雪、上さらしスサ、中さらしスサの3段階に分かれ、壁塗りの際に混入される。
【紙スサ】
上塗りの際、漆喰に混入する紙片。昔はちょうちん屋や傘屋の切りくずを使っていた。こうぞ、みつまたなどの和紙による紙スサが良いとされている。現在、和紙用パルプを使用した紙スサも使われている。
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草糊 つのまた むしろ糊
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【草糊】
米、にかわ、大豆、小麦などの植物を使用して造った糊。通常、かゆ状にして白土などに混入して使う。壁のひび割れ防止や作業性を高めるためにかつて使用されていた。
【つのまた(角又)】
スギノリ科ツノマタ属の海藻から造られた糊材の一種。春に採取したものが粘度が高く最上とされた。採取すると通常は1カ月以上干し、これを煮詰めて完全に溶解してから使用する。
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